近所のビデオ屋にいったら売り場の半分がアダルトコーナーだった

 大学生になってから、調子づいていろんなことをやっているので、どうせだしブログでも始めるか~という軽い気持ちでブログをはじめました。本当はこんなことしている場合じゃないんですよね。文学フリマに出す作品、まだ一文字も書いていませんので。文学フリマまで残り一か月切っておりますので。

 

 体験ルポみたいなのを中心にブログを更新していこうと思います。記念すべき第一回は、私が初めてアダルトコーナーに入ったときの話です。あれはまだ大学の入学式を迎える前のことでした。京都に引っ越してきて、友達はまだいないし、あまりにもやることがなかったので、手に入れた自転車でその辺を乗り回していました。自転車を手に入れた私は無敵で、どこにいってもワクワクドキドキしていました。太秦のほうのスタバとか通って「でっけぇ~」って笑ってましたね。

 そんで私が自転車でうろついていたときに、ちょっと古びたレンタルビデオ屋さんを見つけたんですね。三階建てか四階建てくらいだったかなぁ。面白いDVDでも借りよかしら、なんて思って中を見たらびっくり。どうやらめちゃくちゃアダルトコーナーが広いらしい。一階以外の全部のフロアにアダルトコーナーがある。フロアの半分くらいアダルトコーナーがある。今までなんだかんだでアダルトコーナーに入ったことがなかったし、その時の私はなんだか気が大きくなっていたから、脳内で威風堂々を流しながら意気込んでアダルトコーナーに侵入していきました。

 初めてのアダルトコーナー、圧巻。B級ホラー映画とか、ウルトラマンみたいな雰囲気があるタイトルと共に、女の裸体。すっげぇやこれ。しばらく興味深くアダルトビデオの陳列を眺めていたけれど、なんだか不思議な気持ちになってきた。宇宙だ、コスモだ、みたいな気持ち。なんだこれ。多種多様な女の裸体(たまに男)はただ肌色の群像にしか見えず。私が男だったとして、この肌色の群像に果たして興奮を覚えるだろうか?ここで自分のお目当てを見繕うのはなかなか困難を極めるのではないだろうか。至極論理的に、自分の趣味嗜好と合致するものを選別することになるのではなかろうか。感情的にアダルトビデオを手に取ることは、おそらく、この場では起きない。というのはあくまで女の私の感想にすぎないので実際のところは分からないのだけれど。売り場にいる男性の方をちらっと見てみるが、彼らはまるでコンビニで飲み物を選ぶのと変わらない表情をしてフロアを散策していた。彼らと私の目が合うことはほとんど無かった。

 このレンタルビデオ屋のアダルトコーナー、なんと取り扱う商品はアダルトビデオにとどまらない。アダルトグッズもたくさんあった。すっげぇやこれ。男性向けもあるし女性向けもある。あと興味深かったのはパンツ。パンツが売っていた。使用済みパンツ。誰のなんだろう。使ったパンツを提供するアルバイトとか、あるんだろうか。あるならめちゃくちゃ良いバイトだな。パンツを履くだけでお金もらえるなんて、パパ活より良いんじゃないか。

 アダルトグッズの陳列はすごくきれいだった。白い棚に、整頓されて並べられて、いやらしくない照明でキラキラと照らされていた。めちゃくちゃ清潔感があった。私はちょっとここでプロ根性みたいなのを感じたね。確かに、アダルトグッズの陳列が汚かったら、絶対買わない。服がぐちゃっと陳列されてても買うかもしれないけど、アダルトグッズがぐちゃっと陳列されてたら、なんか買いたくない。分かっている。ここの店主、分かっていやがる。

 せっかく来たので私はそこで一つお土産を買うことにした。そんなにお金もなかったので、安めのアダルトグッズを手にとっていざレジへ。レジは顔が見えないようになっている配慮がされていた。完璧である。なんだか怪しい取引みたいでワクワクする。店員さんは中身の見えない袋に入れてくれた。

 結局そのアダルトグッズはタンスの引き出しの中で眠ることとなったのだけれど、後々友達が出来て家に遊びに来た時にひどい目にあった。そのため私はとりあえずアダルトグッズをゴミ箱に捨てた。いや、捨てたというより入れただけなのでまだある。いまだにある。見たくもないので見ないふりをしているけれどまだある。たとえるなら虫捕まえたあとのティッシュみたいな感じ。そろそろ年末だし、早く捨てないとなあ。